都市から見る世界史

見事にタイトル通りの本(翻訳)。
世界史っていうのは、通史として読むのにさまざまな困難があるもので、およそ一本の道筋で捕らえることなんて難しい。そこを、「都市」に視点を置いて、その機能や役割、盛衰を語ることで、すぅっと歴史を流すことができる。
スマートな信頼できる良い本。

都市から見る世界史 (クロノス選書)

都市から見る世界史 (クロノス選書)

バラバラに思えた断片がつながるのも気持ちよかった。
日本の都市を語るときに、夏目漱石のコメントの引用や、珍しく名古屋も出てきたりして、それも外国モノにありがちな"ちょっと待ってよ"というのではなく、納得できるもの。
この都市の景色を読むと、その時代の作品の見え方も違ってくる。