女装と男装の文化史

神話や文学・映画などの中で、女装・男装がどのようにあらわれ、どのような意味や影響力を持っているのか、を読み解いている本。

「女装と男装」の文化史 (講談社選書メチエ)

「女装と男装」の文化史 (講談社選書メチエ)

n個の性、という表現がある。性の多様性というが、人間の数の分だけどころか、ひとりの人間でも対峙する人ごとに、関係ごとに、性のあり方(いろんな意味でのね)は存在する。そういうゆらぎを肯定するのは、他の人がどう扱っているかなかなかわかりにくいだけに、なかなか難しい。
文学や映画や、いろんな芸術の力は、そういう多様性を受け入れるための力になる。作品を通して、自分だけでは体験できない他者を疑似体験することで、自分自身や、自分とは異なる他者を受け入れる空間を持つことができるようになる。他者の多様性・自らの多様性を客観的に適切な幅で肯定すること。
文化って、現在にとって大切なんだよね。