『山村美紗サスペンス 赤い霊柩車(22) 代理妻殺人事件』

いまだに、明子さん(片平なぎさ)と春彦さんは婚約中なんである。神田正輝の代表作は絶対に、このいつまでも青年医師・春彦さん。春彦さんを演じる限り、神田正輝の存在意義はあるのだ!。

片平なぎさの2時間ドラマの安定感はズバ抜けている。今回も、京都の名所を映しながら、伝統芸能(染色)とお家騒動(有名貸しビル屋)を絡めさせ、好奇心旺盛な明子さんと春彦さんコンビがおせっかいに走り回る。不安にならない程度のどんでん返し。ソレやり過ぎ、と突っ込みたいところにも、何しろ京都府警の狩矢警部がお友達だから大丈夫。絶対に疑われないもん。お約束のような大村混と山村紅葉の掛け合い。あぁ、なんという様式美。

http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2007/07-278.html

それに芸が細かい。明子さんと春彦さんのシーンでは交代で食事を作ってセッティングをしたりしている(なんと、神田正樹かキュートなエプロン姿(多分女性モノ)でフライパン持っているのがしっくりくるんだよ)など二人の関係のディテールにも一貫性がある。こんなところも、全体の安定感。(簡単なことのようでないがしろにしている作品も多いんだよね)
中島久之、岡まゆみ、西川忠志といった、2時間ドラマにしっくり来るキャストもOK。小沢真珠もこれから期待。
今さら、明子さんと春彦さんのできちゃった婚を画策する秋山さんってどうよ、と思うものの、そのズレ加減もなかなか2時間ドラマっぽいんである。