グエムル

悲劇は、よくよく喜劇的である。
完璧に非のうちどころのない人間に襲い掛かるだけではなく、小市民的なそこそこダメダメ人間にも訪れるのである。決して、自業自得と言うことはできない。悲劇的展開は笑っちゃうほど、情けない面もあるのである。事実として。

くだらない、モンスターパニックのこの映画は、そんな意味でとてもとても人間を描いている。社会的な側面も描かれ、人生をまるごと取り上げたような大きさがある。今ある社会はいつ豹変するともわからないという危うさもある。信じることができるのは、一個の人間の生命力である。そして、人間は素晴らしく力強く、生き続ける。
なにやら、アンダーグラウンドを思い出した。

アンダーグラウンド [DVD]

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いや、カンヌのパルムドールと比べるのはどうよ、といわれそうなお笑いモンスターパニックなんっすけどね。