陰暦暮らし

久しぶりにキレイな文章を読んだ。
花街のお姐さんたちの着物姿を見て、素人には真似ができないし真似しようと思ってはいけない、と静かに語る。

陰暦暮らし

陰暦暮らし

古今東西の暦についてのアレコレが好きなので、暦の制度や自然科学的に見た法則や文化との関わりに興味があって手に取った本。内容は、日本の陰暦の行事やそれに即した着物や文学を引用したエッセイ。普段だったら"読みたかったものと違う"と怒るところが、そんなことはすっかり忘れて心地よく読んだ。
教養が素地としてある上で、自らの目で見たことを語るときに、押し付けがましくなくひけらかすことなく、イヤなところのない丁寧で滑らかな文章を書く人は、もうある程度の年代で絶えてしまったかと思い始めていたところなので、うれしい。