立川談志 独演会 ミッドランドスクエア

名駅前にできたトヨタのミッドランドスクエア内にひっそりとあるホール(というより会議室じゃないか?)のこけら落としに、立川談志
http://www.maing.co.jp/maimai/yokachoro/koremade-danshi.htm-

ミッドランドスクエアはトヨタトヨタといっているが、元々の豊田ビルと毎日ビルが一緒になったのだから、必然的に毎日新聞が入っているんである。で、毎日の落語会が立川談志を呼んできた。

ぴあで10分で完売だという299席。しかし私でも取れたから、そんなものか。

  • 鉄拐

 かなりアカデミックな学術うんちくを交えながら縦横無尽に語る。語る。はなし終えたあと、談志自身が(以前落語会のお手伝いの時のガイドブックに”必ず師匠といいましょう”とあったけど、まぁいいや)、今日聞いた客はいいものを聞いた、というようなことを噛み締めるようにつぶやいていた。本人も納得できたようで、ご機嫌だった。
 ただ、このアカデミックなうんちくについていける人は何人いるんだろうか。ここの客はものすごく世界史偏差値が高いんだろうか。山川の世界史用語集を全部記憶しているような人でも、知らない単語じゃないんだろうか。私がモノ知らずなだけなんだろうか。(ディオゲネスだかアンティステネスの話も出ていた)。みんな理解して笑っているんだろうか。コレは、固有名詞を知らなくても楽しむものなのか、知っている人を選別するものなのか。はてな
 それでも、いいものを聞いたとは思う。聞いておいてよかったと思う。

  • がまの油

 途中から英語版がまの油になった。なんだか、そのでたらめ語感を楽しむというのではなくて、英語としてでたらめな所に反応してみな笑っているような様子で、英語のわからない私はひとり置いていかれたようで哀しかった。途中から、韓国語版がまの油になった。それまで英語の間違いチェックみたいに笑っていた人たちの戸惑いが感じられて、でも彼らも笑うのを止めることもできず、なんとなく笑っているようなところがあって、私はとってもつまらなかった。つまんない、とふてくされていたら、ちょうど「もういいかげんに止めろって?」というような風に話を切り替えてくれたから助かった。

☆☆

 ところどころ、試されているような感じがありありとわかるのが、なんか私の好みじゃない。今日の客はどんなレベルだ? どこでどう反応するんだ? どこまでついてこれるんだ? そういうのを試しているのを何度か感じた。
 そういうことナシで、直球なのか回りくどいのかわからないようなご意見ナシで、はなしているところを見たい。表現はとってもとっても柔軟で幅広くって頭の世界が広がるようで好きなんだけど、ソレダケやってちゃ談志じゃないんだろうな。

 私は、長屋の花見で、のんびりと笑っているのが、いい。