「ハレルヤ」 〜 バスキア / サントラ  より 

先日見た映画「ロード オブ ウォー」の中で、やさぐれたニコラス・ケイジの背景で「ハレルヤ」がいい雰囲気で流れていた。疲れ果てて未来のない世界のその先にまだかすかに希望があるようなこの曲は好きだ。

そういえば、デヴィッド・ボウイアンディ・ウォーホール役をやっていた映画「バスキア」でも流れていたっけ。あたしの中のイメージは、まさにアレだ。

ひとり、アメリカンな都会人になった気分で、立てる襟のないコートの襟を立てるようにして、ひゅるるぅ「ハレル〜や〜」と歌いながら歩いていたら、そのうち、「は〜れ〜る〜や〜」のあとに、「ヘッドライト〜 テールライト〜」と空耳がかぶり、「旅はまだ 終わらない〜」と、朗々と中島みゆきが唄いあげる「プロジェクトX」のエンディング映像が出てきてしまった。ニッポンを支えてきた人々は大いに尊敬するのだが、ベルベットアンダーグラウンドな気分だったところが、いきなりヘルメットに作業服に眼鏡をかけた図柄になると、いささか気分が萎えてしまう。というわけで急いで、バスキアのサントラ購入。

バスキア(サントラ)

バスキア(サントラ)

いい曲が揃っている。

以前、電車の中で、近所の商店街の頭のはげた八百屋のおっちゃんという風貌の人が着ていた紺色のジャンパー(! まさにジャンパーなのである)の背中のロゴを何気に読んだら、Jean Michel Basquiatと書いてあって、そのギャップに驚いたことがある。そういえば、そのもっと以前には、何気なく目の前を歩いていた 日曜日のおやじさんといった風貌の人のこれまた紺色のジャンパーの背中のロゴを読んだら、sanbai-ganbaru-fafa と書いてあって、「三倍がんぱる ファーファ(by 日本リーバ)かいっ」とあって、苦手なローマ字を苦労して読んだ後の徒労を思い出してしまった。

アーティスト・バスキアの名前も、柔軟材の商品名も、同列なのである。
まさに、アンディ・ウォーホール的ではないか。