ありがとう電車男
- 作者: 宝島編集部
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
いまさらながらの電車男本
秋葉原の紹介やエルメスやベノアのグッズの写真。5分でわかる電車男ストーリー、流行するまでの流れ、2ちゃん用語、まんが数ページにまとめたあらすじ、などなど、これを読めば本体必要ないじゃん、な本。
電車男とエルメスの会話や行動をもとに脳の機能を分析する項が面白かった。
どうやら、エルメスは女性脳偏差値が高く、電車男は男性脳偏差値が高いらしい。ってことはつまり、二人とも素直に育ち、本質的に異性へのアピール・共感能力が高いということだ。
「電車男」は奇蹟の物語でもなんでもなく、さえないカエルの姿をしていた王子様が魔法が解けて元の王子様になる、という実に幾度も聞いたお話だったわけだ。カエルがオタクだっただけで、ちょこっとその姿が残ったままでも受け入れられただけで。そういうおとぎ話を聞いて、「けっ、やっぱフツウのカエルじゃないじゃんかっ。最初っから違うんだよ」と言ってみたり、タイゾー君のプロフィールを見て「ニートとか言うけど、最初っから坊ちゃんじゃん」と言ってみたりする御仁には( あたしのことか? タイゾーは今のところは応援するぞ )、なんだやっぱり な説である。
もっとも、資質的に他者へのアピール・共感能力があったからこそ、アノ物語は広く受け入れられたわけで、掲示板で強がって住人のアドバイスをけなして見下し、エルメスに高圧的な態度をとったり相手のことを考えないようなパーソナリティだったりしたら、イタイ話として叩かれて終わりだったんだろう。
「電車男」に触発されて、あっというまに彼女をつかまえてきた若者も身近にひとりいる。全国的にはかなりの数になるとみた。それなりにほほえましい価値があったことは確かだね。そりゃ、幾千年も(おおげさ)語り継がれてきた物語の系譜だもの。