犬に埋もれて

人間、当然ながら、好きなものには甘い。
甘いものが得意ではない私は、ものすごく好きなものを扱った作品よりも、ちょっと違うものの方が好きだったりする。

岩合光昭の「ニッポンの〜」シリーズ(?)の写真でも、彼が好きだという「ネコ」よりも、ほどよい距離感や緊張感のある「イヌ」の方が好きだ。

ニッポンの猫 (新潮文庫)

ニッポンの猫 (新潮文庫)

ニッポンの犬 (新潮文庫)

ニッポンの犬 (新潮文庫)

久世光彦、未完の作品は、犬が出てくる作品だった。

犬に埋もれて

犬に埋もれて

小説も未完、スチール写真がちらほら残り、犬についてのエッセイやら対談やらを集めた本。久世光彦は、ポメを3匹も飼っていたらしい。
久世作品は、私が好むものの中では特別にセンチメンタルで甘いものだと思っていたけれども、それでもやっぱり、ただ感情にまかせてべったり創っていたわけではないのだな、ということを、犬についての作品やら、収められている自筆のメモを見て認識。