更年期少女

冒頭の雰囲気の持っていき方は、すごくいい映画の冒頭の空気にも似ていた。

映画も小説も、その入り口の瞬間で出来がほとんど決まるといっていい、と思っていた。

更年期少女

更年期少女

けど、痛々しい「少女」の話で突き進むのかと思ったら、どこからか方向転換。
痛々しいことはイタイのだけど、あらすじをなぞったかのような展開になっていて、種明かしはサラリとしていた。

福岡の保険金連続殺人が元ネタになっているらしい、と読み終わって知った。
それなら、もっと抉り取るような重たい深みで読んでみたかったな。
あの事件、誰か書いていないかな。