赤めだか

出版当時、各書評で絶賛されていた。小説家の誕生だという記述もあって、エッセイなのになぜ小説なんだ、と思ったことを覚えている。

読んで、わかった。これは、小説だ。

確かに、自伝エッセイであることには間違いない。でも、過去の事実の中から、言葉やシーンを選び取り、構築し、人々を再現し本の中に立ち上らせた素晴らしさは、小説である。

赤めだか

赤めだか

私は、立川流に対して素直に絶賛するというよりも熱狂さに距離をとってしまう方だし、談春が師と仰ぐ談志もさだまさしもどちらも好みではない。
そんな立ち位置の私ですら、この本は、素晴らしいと思う。

そういえば、談春はナマで聴いたことがなかった。急いで残り僅かな5月の講演チケットを買ってきた。楽しみ。